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投稿計量経済学中級

AR(1)モデルにおける定常性の条件について

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時系列分析でのAR(1)モデルにおける定常性の条件について、説明します。
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AR(1)モデルにおける定常性の条件

 次のようなAR(1)モデルを考えるとします。

  $y_t = \phi y_{t-1} + u_t$

 一般に定常性の条件は、

  $E(y_t) = \mu$

  $V(y_t) = \sigma$

  $Cov(y_t \, , \, y_{t – s}) = \gamma(s) \quad (s > 0)$

となりますが、AR(1)モデルにおける定常性の条件は、

  $| \phi | < 1$

となります。

導出方法

 AR(1)モデルについて、次のように変形していくことができます。

  $y_t = \phi y_{t-1} + u_t$

   $= \phi (\phi y_{t-2} + u_{t-1}) + u_t = \phi^2 y_{t-2} + u_t + \phi u_{t-1}$

   $= \phi^2 (\phi y_{t-3} + u_{t-2}) + u_t + \phi u_{t-1} = \phi^3 y_{t-3} + u_t + \phi u_{t-1} + \phi^2 u_{t-2}$

     $\vdots$

これを$k$まで繰り返すと、

  $\displaystyle y_t = \sum_{i=0}^k \phi^i u_{t-i} + \phi^{k+1} y_{t-k-1}$

と表すことができます。

 ここで、$k \rightarrow \infty$とすると、$| \phi | < 1$の場合には、右辺第二項は$0$となるので、

  $\displaystyle y_t = \sum_{i=0}^{\infty} \phi^i u_{t-i}$

となります。

 更に、$y_t$について、平均と分散を考えることにします。
 $u_t$はホワイトノイズであり、$E(u_t)=0$、$V(u_t)=\sigma$とすると、

  $\displaystyle E(y_t) = E \left[ \sum_{i=0}^{\infty} \phi^i u_{t-i} \right] = \sum_{i=0}^{\infty} \phi^i E(u_{t-i}) = 0$

  $V(y_t) = E((y_t \; – \; E(y_t))^2)$
     $\displaystyle = E(y_t^2) = E \left[ \left( \sum_{i=0}^{\infty} \phi^i u_{t-i}\right)^2 \right]$
     $\displaystyle = \sum_{i=0}^{\infty} \phi^{2i} E(u_{t-i}^2) = \sum_{i=0}^{\infty} \phi^{2i} \cdot \sigma = \dfrac{\sigma}{1 \; – \; \phi^2}$

 ここで分散を見ると、$| \phi | \geq 1$のときには、$V(y_t)$はマイナスになったり、無限大に発散してしまうので、$| \phi | < 1$が必要とされることになります。

参考

  山本拓『経済の時系列分析

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