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貿易の状況を示す指標「交易条件」について

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投稿国際経済学初級
国際貿易にあたり、貿易が自国にとって、どのような状態にあるかを示す指標として、交易条件があります。この交易条件について、簡単に説明します。
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はじめに

 自国の貿易状況について考えるとき、真っ先に思い浮かぶのが、輸出や輸入でしょう。
 輸出よりも輸入が大きければ大きいほど、ある意味、その国は儲かっていると考えられるからです。

 ただ、輸出と輸入に大きな違いがあれば、その判断も分かりやすいかもしれませんが、同じような額であったりしたら、貿易の状況がいいのか悪いのは、判断がつきにくい部分があります。

 そこで、貿易の状況を知る1つの指標として、「交易条件」(terms of trade)があります。

交易条件

 交易条件とは、輸出財の価格を輸入財の価格で割ったものと定義され、次式のようなものです。

  交易条件 = 輸出財の価格 ÷ 輸入財の価格

 輸出入の金額ではなく、それぞれの価格で定義されており、直観的にも分かるように、交易条件は高いほうがよいとされます。

ポイント

 交易条件が大きいほうが良いとされる理由について、厳密に整理しましょう。

 輸出額と輸入額は、次のような式で表すことができます。

  輸出額 = 輸出財の価格 × 輸出財の数量

  輸入額 = 輸入財の価格 × 輸入財の数量

 貿易が均衡しているとすると、

  輸出額 = 輸入額

が成り立つので、

  交易条件 = 輸出財の価格 ÷ 輸入財の価格 = 輸入財の数量 ÷ 輸出財の数量

というようにも書き換えることができます。

 価格では分かりにくいかもしれませんが、数量で考えると、

  交易条件 = 輸入財の数量 ÷ 輸出財の数量

という式であり、輸出財を1単位輸出すれば、どれだけ輸入ができるかという指標になっていることが分かります。

 例えば、交易条件が2ならば、輸出財を1個輸出すれば、2個の財を輸入可能というわけです。

 ですので、交易条件は高いほうがよいと考えられます。

実際の数値

 ところで、交易条件について、実際の数値はどうなのか、気になるところです。

 これについては、IMFで交易条件が計算され、公表されています。

   IMF「Commodity Terms of Trade

 例えば、日本の交易条件は、次のようになっています。



 日本ではプラザ合意後の1985年以降に交易条件は改善しますが、2000年代になり交易条件が悪化しています。そして2016年と2020年に交易条件は改善を見ますが、2022年に交易条件は急激に悪化している状態です。

参考

  井手豊也『ビギナーのための国際経済学

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