ヘクシャー=オリーンモデルについて

国際経済学において、重要なモデルの1つとして、ヘクシャー=オリーンモデルがあります。初級者向けに簡単にこのモデルについて説明します。

概要

 ヘクシャー=オリーンモデル(Heckscher–Ohlin model)とは、国際貿易において、各国がどのように貿易を行うかを説明するモデルです。

 国際経済学を学ぶにあたって、必須ともいえるモデルの1つですが、細かな数式などが出てきたりして、ややこしいので、まずはこのモデルの基本的な考え方を説明したいと思います。

ヘクシャー=オリーンモデル

 国際経済学において、ヘクシャー=オリーンモデル以前は、リカードモデルを中心に貿易が説明されてきました。つまり、労働の生産性の違いで、貿易が起こるというものです。

 しかし、ヘクシャー=オリーンモデルでは、生産要素として、資本と労働力の2つを考えます。そして、財・サービスとして、生産するのに資本が多くかかる資本集約的なものと、労働が多くかかる労働集約的なものの2つを考えます。

 このとき、このモデルにおいては、

  資本が多い国 ⇒ 資本集約的な財・サービスを輸出

  労働力が多い国 ⇒ 労働集約的な財・サービスを輸出

という形で、貿易が説明されます。

 なぜこのような結論になるのでしょうか。何となくはイメージはつきますが、丁寧に説明していきましょう。

 例えば、労働力が多い国を考えましょう。この国では、労働力が多いため、賃金が安く、より労働が必要な労働集約的な財・サービスについて、低コストで生産が可能です。その結果、この国で生産される労働集約的な財・サービスは、相対的に他国よりも安い価格で販売できます。

 この国よりも、労働力が少なく、資本がより多い国にとっては、労働集約的な財・サービスを生産するよりも、それを輸入し、より得意な資本集約的な財・サービスを生産し輸出したほうが得です。

 このように、それぞれの資本・労働力の違い(生産要素の賦存量)で、資本集約的・労働集約的という違う財・サービスが貿易されることになります。

ポイント

 このモデルから、リプチンスキーの定理、ストルパー=サミュエルソンの定理、要素価格均等化定理などが導き出されますが、何よりもこのモデルの基本は、生産要素の賦存量で貿易が決まるという点です。

 特に、先進国と発展途上国の貿易を考えれば、イメージはしやすいでしょう。
 
 先進国には資本が多いため、資本集約的な財・サービスを輸出し、発展途上国は労働力は多くあるが、資本は少ないため、労働集約的な財・サービスを輸出するというのは、納得がいきやすいと思います。

 リカードモデルにおいては、生産要素として労働力だけであり、その生産性の違いが貿易の論点になっていましたが、それではこのような先進国・発展途上国の貿易については、説明がしづらい点があると思いますが、このヘクシャー=オリーンモデルを考えると、分かりやすい話だと思います。

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