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絶対優位と比較優位について

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投稿国際経済学初級
国際経済学における絶対優位と比較優位について、説明しています。
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絶対優位

 自国と外国があり、財Aと財Bを生産しているとします。このとき、自国と外国で財A・Bを1単位生産するのに必要な労働力が、次のようになっているしましょう。

財A財B
自国55
他国2010

 自国では財A・財Bを生産するのに、共に労働力が5必要であり、他国では財Aを生産するのに労働力が20、財Bを生産するのに労働力が10必要というわけです。

 自国のほうが他国よりも、財A・財Bともに生産するのに必要な労働力が少なくて済むので、この二国で貿易が行われたとき、自国が一方的に他国に2財とも輸出する状況が考えられます(このような状態を「絶対優位」と言います)。

比較優位

 上記の表について、改めて見てみると、自国では財A・財Bどちらを生産しても、必要な労働力が同じなのに対して、他国においては、財Aと財Bで必要な労働力が異なっています。

 他国では、財Aを生産するのを減らせば、より財Bを生産することができます。
 例えば、財Aの生産を1単位減らせば、財Bを2単位生産できることを示しています。逆に言えば、財Aの生産を1単位増やすには、財Bの生産を2単位減らす必要があります。

 このとき、財Bを1単位生産するのに必要な労働力を基準にしたとき、財Aを1単位生産するのに必要な労働力は、

  自国 : 5 ÷ 5 = 1
  他国 : 20 ÷ 10 = 2

となります。

 逆に、財Aを1単位生産するのに必要な労働力を基準にしたとき、財Bを1単位生産するのに必要な労働力は、

  自国 : 5 ÷ 5 = 1
  他国 : 10 ÷ 20 = 1/2

となります。

 これらのことから、自国においては他国よりも、相対的に財Aを生産するのに必要な労働力は少なく、逆に、他国は自国よりも、相対的に財Bを生産するのに必要な労働力は少ないことを示しています。

 このようなとき、自国は財Aに対して「比較優位」にあり、他国は財Bに対して「比較優位」にあるとされます。

 そしてこのとき、自国は財Aを輸出し、他国は財Bを輸出するような形で貿易が行われるとされます。

参考

  井手豊也『ビギナーのための国際経済学

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