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リカード・モデルの基本を説明

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投稿国際経済学入門
国際貿易におけるリカード・モデルについて、比較優位・絶対優位を含めて、その基本を説明します。
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はじめに

 なぜ、各国では貿易が行われるのでしょうか。

 例えば、2国があり、同じ財を2つ生産しているとしましょう。そうしたとき、それぞれの国では自国で財を生産できるので、貿易を行う必要はないでしょう。

 このような問いに回答する基本的かつ伝統的なものとして、リカード・モデルがあります。

 このリカード・モデルについて、簡単な数値例を交えながら、この基本を説明します。

リカード・モデル

 A国とB国の二国があり、それぞれの国で共にx財とy財を生産しているとしましょう。
 生産にあたっては、労働力のみを考え、財を1単位生産するのに、必要な労働力を考えます。これを表したのが下表です。

 A国においてはx財を1個生産するのに労働力が5必要、y財を生産するのに労働力が8必要とされます。B国ではx財を1個生産するのに労働力が20、y財を生産するのに労働力が10必要という形になっています。

A国B国
x財
5
20
y財
8
10

 このとき、貿易がなければ、この状態のままで、それぞれの財が生産されます。
 ただ、貿易が行われたとき、この表について、2つの見方が生まれます。

 1つは、x財・y財ともに生産にあたり、A国のほうが労働力は少なくて済むという点です(これを「絶対優位」と言います)。A国のほうが効率的にx財・y財を生産できるので、すべてをA国で生産したほうがいいともいえるでしょう。

 ただこれでは、一方的にA国では輸出、B国では輸入という形になり、貿易においては不均衡が生じます。また、A国の人口を考えれば、B国の分まですべて生産できるとは限らず、逆にB国では労働力が余る結果となるので、非効率とも言えます。

 2つは、それぞれの国でのx財・y財を生産する際の労働力を比較するという点です。

 A国ではx財のほうがy財を生産するよりも労働力が少なくて済みます。逆に、B国ではx財を生産するよりもy財を生産する労働力は少なくなっています。

 このように、A国ではx財を生産するのが得意、B国ではy財を生産するのが得意といえます。これを「比較優位」)といい、A国ではx財の生産に比較優位があり、B国ではy財の生産に比較優位があるとされます。

 そうすると、A国ではより労働力が少なくて済むx財の生産に注力し、B国ではより労働力が少なくて済むy財の生産に注力したほうがいいといえるでしょう。そして、この2国で貿易が行われれば、A国はx財を生産し輸出(y財は輸入)、B国はy財を生産し輸出(x財は輸入)したほうが、両国にとってはいいことになります。

 以上から、労働力の生産力の違いで貿易が行われるとしたのが、リカード・モデルになります。

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