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雁行形態論とは?

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投稿国際経済学初級
経済学において、発展途上国における経済発展の仕方を述べた「雁行形態論」について、説明しています。
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雁行形態論

 雁行形態論によれば、発展途上国では、いくつかの段階を経て、経済が発展していくと考えます。

 発展途上国と先進国の間で、国際貿易があるとして、次のような過程を踏みます。

  ①第1段階
   発展途上国はその国の特産品を輸出し、先進国から工業消費財を輸入します。
   この段階では、途上国の輸入関税は比較的低く、政府は自由貿易主義的になります。

  ①第2段階
   先進国から輸入していた工業消費財について発展途上国でも生産が行われるように、輸入代替が発生します。
   途上国で工業消費財について生産が行われるため、関税や数量制限などで、その産業の保護政策がとられるようになります。

   同時に、その工業消費財を生産するため、先進国からは資本財の輸入が行われます。

  ①第3段階
   発展途上国において、国内生産にとどまっていた工業消費財は、輸出産業に成長し、輸出が行われるようになります。
   同時に、資本財の生産が開始されるようになります。

 このように、雁行形態論では、より付加価値の高い製品について、

   輸入 → 生産 → 輸出

というプロセスで産業が発展していくとされます。

 そして、このプロセスを図にすると、雁が並んで飛んでいるように見えるため、雁行形態論(雁行的発展)と呼ばれます。
 (呼ばれますと言いますが、この理論を提唱した赤松要により命名されました)



 なおこのプロセスは、消費財だけではなく、耐久消費財・資本財とった、より付加価値の高い産業で発生していくことになります。

最後に

 理論としては、日本の産業発展を調べた結果、発見・考案されたもので、1935年に発表された古い研究です。

 ただ古いと言っても、日本や他国の産業発展を考えたとき、当てはまっていたり、分かりやすい理論ともいえるでしょう。

 同時に、IT化や工業品の高度が進んだ現在においては、このようなプロセスで経済が発展できるのかという問題も挙げられるでしょう。

参考

  赤松要『世界経済論

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