戦略形ゲーム
$n$人のプレイヤーについて、戦略形ゲームは、次のように定義されます。
$G = ( N \, , \, \{S_i \}_{i \in N} \, , \, \{f \}_{i \in N} )$
なお、それぞれは、次のとおりです。
$N$:プレイヤーの集合で、$N = \{ 1 \, , \, \cdots \, , \, n \]$
$S_i$:プレイヤー$i$の選択可能な戦略の集合
$f_i$:プレイヤー$i$の利得関数で、直積集合$S = S_i \times \cdots \times S_n$上の実数値関数($f_i$:$S \rightarrow \mathbf{R}$)
この定義のもと、すべてのプレイヤーは、他のプレイヤーの戦略を知らずに、
$s_i \in S_i$
を選択し、利得
$f_i(s_1 \, , \, \cdots \, , \, s_n)$
を得ることになります。
ゲームの特定化
上記は、一般形の戦略形ゲームの定義ですが、条件が加わることで、ゲームを特定化できます。
$\displaystyle \sum_{i=1}^n f_i(s_1 \, , \, \cdots \, , \, s_n) = 0$ ⇒ ゼロ和ゲーム(ゼロサムゲーム)
$\displaystyle \sum_{i=1}^n f_i(s_1 \, , \, \cdots \, , \, s_n) \neq 0$ ⇒ 非ゼロ和ゲーム(非ゼロサムゲーム)
$\displaystyle \sum_{i=1}^n f_i(s_1 \, , \, \cdots \, , \, s_n) = K \quad (K$は定数$)$ ⇒ 定和ゲーム
ナッシュ均衡
戦略形ゲームにおいて、他のプレイヤーの所与として、自己の利得を最大化します。
プレイヤー$i$以外のプレイヤーの戦略をまとめて、$s_{-1}$とすると、プレイヤー$i$は、
$\displaystyle f_i(s_i \, , \, s_{-1}) = \max_{t_i \in S_i} f_i(t_i \, , \, s_{-1})$
となるように行動し、これを最適応答と言います。
そして、すべてのプレイヤーが最適応答であり、すべてのプレイヤーについて、
$f_i(s_i^* \, , \, s_{-1}^*) \geq f_i(s_i \, , \, s_{-1}^*)$
が成り立つとき、ナッシュ均衡となります。
参考
岡田章『ゲーム理論』
栗野盛光『ゲーム理論とマッチング』