ロピタルの定理(ロピタルの法則)とは、次のようなものです。
関数$f(x) \, , \, g(x)$について、
$\displaystyle \lim_{x \rightarrow a} \dfrac{f'(x)}{g'(x)}$
が存在するとき、
$\displaystyle \lim_{x \rightarrow a} \dfrac{f(x)}{g(x)} = \lim_{x \rightarrow a} \dfrac{f'(x)}{g'(x)}$
が成立します。
例
ロピタルの定理を使った解法の例を示したいと思います。
次のような式を解くことを考えます。
$\displaystyle \lim_{x \rightarrow \infty} \left( \dfrac{x + 1}{x \; – \; 1} \right)^x$
まずは、計算しやすいように、
$y = \left( \dfrac{x + 1}{x \; – \; 1} \right)^x$
を定義し、この式について、両辺の対数をとり、式変形すると、
$\ln y = x \ln \dfrac{x + 1}{x \; – \; 1} = \dfrac{\ln (x + 1) \; – \; \ln (x \; – \; 1)}{1 / x}$
となります。
この$\ln y$について、極限を求めます。
$\displaystyle \lim_{x \rightarrow \infty} \ln y = \lim_{x \rightarrow \infty} \dfrac{\ln (x + 1) \; – \; \ln (x \; – \; 1)}{1 / x}$
ここでロピタルの定理を使います。分子・分母をそれぞれ微分したものは、
分子:$\dfrac{1}{x +1} \; – \; \dfrac{1}{x \; – \; 1} = \dfrac{-2}{x^2 \; – \; 1}$
分母:$-\dfrac{1}{x^2}$
となるので、
$\displaystyle \lim_{x \rightarrow \infty} \ln y = \lim_{x \rightarrow \infty} \dfrac{- 2 / (x^2 \; – \; 1)}{1 / x^2} = \lim_{x \rightarrow \infty} \dfrac{2 x^2}{x^2 \; – \; 1} = \lim_{x \rightarrow \infty} \dfrac{2}{1 \; – \; 1 / x^2} = 2$
が得られます。そして、対数を指数にすると、
$\displaystyle \lim_{x \rightarrow \infty} y = e^2$
となります。