ゲーム理論における基本的なゲームまとめ

囚人のジレンマ、硬貨合わせゲームなど、ゲーム理論においては、様々な種類のゲームが出てきます。これらの基本的なゲームをまとめています。

 ゲーム理論を勉強していると、最も有名な囚人のジレンマを始め、いくつもの種類のゲームが登場します。
 そして、これらのゲームは、単に「こんなパターンがある」ということを伝えているだけではなく、次の理論展開につながっているようなゲームもあります。

 そこで本投稿では、基本的なゲームをまとめてみました。

 なお、ゲームを説明するにあたって、次のような利得表を使います。

 それぞれの利得については、左側がプレイヤーAの利得、右側がプレイヤーBの利得を表します。
 (「〇」がプレイヤーAの利得、「△」がプレイヤーBの利得)。

 また、下線はナッシュ均衡、太字はパレート最適を表しています。
 (この表で言えば、両プレイヤーがともに戦略1を選択したときがナッシュ均衡、両プレイヤーがともに戦略2を選択したときがパレート最適)

プレイヤーB
戦略1 戦略2
プレイヤーA 戦略1  〇: △  〇: △
戦略2  〇: △  〇: △

 なお、それぞれの利得の数値については、戦略間の比較が重要であり、数値自体はどのような数値でもいいので注意してください。

囚人のジレンマ

 最も有名なゲームで、ゲーム理論の本を読めば、真っ先に登場し、ゲーム理論といえば、この「囚人のジレンマ」という感じもあります。

 2人の囚人がおり、両方が黙秘を続ければ、刑は1年で済みますが、両方自白すれば、刑は3年になります。片方の囚人だけが自白すれば、自白した囚人は刑を免れますが(刑は0年)、もう1人の囚人の刑は5年になります。

 この状況では、協力し合えば、両方とも黙秘を続け、刑を1年で終わらせるというのがよい選択かもしれませんが、絶えずどちらの囚人も自白の誘惑に駆られるので、両方の囚人が自白をして、刑は3年になってしまいます。

 両方が自白する状態はナッシュ均衡になりますが、パレート最適ではありません。それ以外の状況はパレート最適になります。

囚人B
黙秘 自白
囚人A 黙秘 -1:-1 -5: 0
自白  0:-5 -3:-3

  囚人のジレンマについて、現実にありそうないくつかの例を挙げてみました

ペナルティキック

 「硬貨合わせゲーム」とも言われるゲームです。

 サッカーのペナルティキックで、キッカーとキーパーがいるとします。キッカーは右か左にボールを蹴り、キーパーは右か左に動きます。キッカーが蹴った方向とキーパーが動いた方向が同じであれば、キーパーはゴールを防ぐことができ、違う方向であれば、ゴールが入ることになります。

 すべての状況はパレート最適ですが、(純粋戦略では)ナッシュ均衡はありません。

キッカー
キーパー  1:-1 -1: 1
-1: 1  1:-1

顧客獲得競争

 囚人のジレンマと似たゲームですが、2者が同じ行動をした利得は、囚人のジレンマにおいては<自白・自白><黙秘・黙秘>では利得は異なりますが、この顧客獲得競争では同じになります。

 2つの店があり、価格競争をしているとします。各店は、価格を維持するか値下げを行うという選択を行います。
 両店とも価格維持・値下げをした場合の利得は5になり、同じ利得を獲得します。片方の店が価格維持、もう一方の店が値下げを行った場合には価格維持をした店の利得は3、値下げを行った店の利得は7となり、値下げを行った店は得をして、価格維持をした店は損(利得の減少)をすることになります。

 すべての状況において、パレート最適であり、両店とも値下げをする状況がナッシュ均衡になります。

B店
価格維持 値下げ
A店 価格維持 5:5 3:7
値下げ 7:3 5:5

男女の争い

 「デートゲーム」「逢引きゲーム」とも言われるものです。

 男性と女性がおり、デートでどこに行こうかという状況です。男性は野球に行きたく、女性はバレエに行きたいと考えています。双方の意見が異なれば、デートは中止になるので、両者の利得は0になります。ただ、片方の要求に従い、野球かバレエに行ったときには、野球ならば男性のほうが、バレエならば女性のほうが利得は高くなります。

 野球かバレエのいずれかでデートに行く状況がナッシュ均衡であり、パレート最適になります。

女性
野球 バレエ
男性 野球 2:1 0:0
バレエ 0:0 1:2

タカ・ハトゲーム

 ゲーム理論の発展形である「進化論的ゲーム論」で使われるものでもあります。

 ある生物がおり、ハトとタカになることができます。
 両方がハトの状態では争いが起こらず、両者の利得は2になりますが、片方がタカになるとタカになったほうの利得は3、ハトのままのほうの利得は1に下がります。更に、両方ともタカになった場合には、血みどろの争いになり、両方の利得は0となります。

 どちらか一方だけがタカになる状況がナッシュ均衡であり、両方がタカになる状況以外がパレート最適になります。

相手
ハト タカ
自分 ハト 2:2 1:3
タカ 3:1 0:0

まとめ

 いくつか基本的なゲームをまとめてみました。
 それぞれ特徴があり、ゲーム理論においては、ナッシュ均衡などの概念を理解するのに適宜出てきます。

 ですので、これらのゲームの構造については、覚えておいたほうがいいでしょう。

ゲーム理論
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Econome
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