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証券会社が破綻したら…

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投稿金融論入門
証券会社が破綻した場合には、投資家はどうなるのかを、説明します。
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 株式や債券を購入するとき、未上場のものなどを除けば、証券会社を通じて、それらを購入することになります。

 同時に、ほとんどの投資家は、株式や債券自体を保有しているわけではなく、証券会社の証券口座で管理することになります。

 そうしたときに、ふと思うのが、

  「証券会社が破綻したら、どうなるか」

  「証券口座で管理しているので、その資産もなくなるのか」

ということです。

原則

 証券会社においては、投資家の債券や株式などは、「分別管理」ということで、証券会社の財産とは別に管理されています。

 1998年の証券取引法(現:金融商品取引法)の改正で、証券会社には分別管理が義務付けられることになりました。

金融商品取引法

(分別管理が確保されていない場合の売買等の禁止)
第四十条の三 金融商品取引業者等は、第二条第二項第五号若しくは第六号に掲げる権利又は同条第一項第二十一号に掲げる有価証券(政令で定めるものに限る。)若しくは同条第二項第七号に掲げる権利(政令で定めるものに限る。)については、当該権利又は有価証券に関し出資され、又は拠出された金銭(これに類するものとして政令で定めるものを含む。以下この条において同じ。)が、当該金銭を充てて行われる事業を行う者の固有財産その他当該者の行う他の事業に係る財産と分別して管理することが当該権利又は有価証券に係る契約その他の法律行為において確保されているものとして内閣府令で定めるものでなければ、第二条第八項第一号、第二号又は第七号から第九号までに掲げる行為を行つてはならない。

 このため、金銭は信託銀行などに、株式や債券は証券保管振替機構などで、それらの会社とは別の財産として管理されており、証券会社が破綻しても、影響はないことになります。

例外

 原則は、分別管理が行われているため、問題はありませんが、証券会社が破綻するということは、その会社が経営危機に陥っていたということで、しっかりと分別管理を行わず、顧客のお金に手を付けてしまう可能性があります。

 実際に、2012年に破綻した丸大証券では、顧客からの預り金を会社経営の運転資金に流用していました。

 そうした場合の保護制度として、「投資者保護基金」というものがあり、一定の証券取引については、1000万円まで、保証されることになっています。

 (例)補償される証券取引例
    ・有価証券
    ・債券
    ・投資信託 など

 ただし、店頭デリバティブ取引やFX取引などは、保護されませんし、あくまでも証券会社が資金流用などをした場合であり、株が値下がりして損をしたなどの通常の売買にかかる損失は、補償されません。

参考

  家森信善『金融論

  日本投資者保護基金「投資者保護とは

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