ヤングの定理
ヤングの定理とは、
「多変数関数について、いずれかの偏導関数が連続であるとき、偏微分の順序を入れ替えても、値は同じになる」
というものです。
$n$個の変数に関する多変数関数$f(x_1 \, , \, cdots \, , \, x_n)$を考えると、
$\dfrac{\partial^2 f}{\partial x_i \, \partial x_j} = \dfrac{\partial^2 f}{\partial x_j \, \partial x_i}$
が成り立つというものです(分母の$i$と$j$の順序が入れ替わっているのに注意してください)。
例
次のようなコブダグラス型生産関数を考えます。
$Y = K^\alpha L^{1-\alpha}$
そして、これを偏微分すると、
$\dfrac{\partial^2 Y}{\partial K \, \partial L} = \alpha (1-\alpha) K^{\alpha – 1} L^{-\alpha}$
$\dfrac{\partial^2 Y}{\partial L \, \partial K} = \alpha (1-\alpha) K^{\alpha – 1} L^{-\alpha}$
であり、等しいことが分かります。
注意点
こんなことが当たり前じゃないかと思うかもしれませんが、連続ではない関数のときには、このヤングの定理は成立しません。
ただ経済学においては、ほとんどの場合、連続であることが仮定されるので、問題がないと考えていいでしょう。
参考
ピーター・バーク、クヌート・シュドセーテル『エコノミスト数学マニュアル』