寄与度・寄与率
寄与度(寄与率)とは、ある値の変化に対して、その値を構成するそれぞれの変数がどれだけ影響を与えているかというものです。
$t$期において、$n$個の変数$x_i(t)$を合計したものを$y(t)$としたとき、
$y(t) = x_1(t) + \cdots + x_n(t)$
が成り立ちます。
ここで、$w_i(t)$を$y(t)$の$x_i(t)$の割合とすると、
$\displaystyle w_i(t) = \dfrac{x_i(t)}{y(t)}$
となるので、$y(t)$の増加率は、
$\displaystyle \dfrac{y(t+1) \; – \; y(t)}{y(t)} = w_1(t) \dfrac{x_1(t+1) \; – \; x_1(t)}{x_1(t) } + \cdots + w_n(t) \dfrac{x_n(t+1) \; – \; x_n(t)}{x_n(t)}$
と表せます。
このとき、
$\displaystyle w_i(t) \dfrac{x_i(t+1) \; – \; x_i(t)}{x_i(t) }$
が変数$x_i(t)$の寄与率であり、これは、$x_i(t)$の全体$y(t)$に対する割合と、$x_i(t)$の増加率を掛け合わせたものとなっています。
寄与度の導出方法
$y(t)$の増加率を式変形することで、寄与度を導出することができます。
まず、$y(t)$の増加率の式について、次のようになります。
$\displaystyle \dfrac{y(t+1) \; – \; y(t)}{y(t)} = \dfrac{\sum^n_{i=1} x_i(t+1) \; – \; \sum^n_{i=1} x_i(t)}{y(t)}$
$= \dfrac{x_1(t+1) \; – \; x_1(t)}{y(t)} + \cdots + \dfrac{x_n(t+1) \; – \; x_n(t)}{y(t)}$
ここで、ポイントは、それぞれの
$\displaystyle \dfrac{x_i(t+1) \; – \; x_i(t)}{y(t)}$
について、分母・分子に$x_i(t)$を掛けることです。つまり、
$\displaystyle \dfrac{y(t+1) \; – \; y(t)}{y(t)} = \dfrac{x_1(t)(x_1(t+1) \; – \; x_1(t))}{x_1(t) y(t)} + \cdots + \dfrac{x_n(t)(x_n(t+1) \; – \; x_n(t))}{x_n(t) y(t)}$
とします。
これを式変形すると、
$\displaystyle \dfrac{y(t+1) \; – \; y(t)}{y(t)} = \dfrac{x_1(t)}{y(t)}\dfrac{x_1(t+1) \; – \; x_1(t)}{x_1(t)} + \cdots + \dfrac{x_n(t)}{y(t)} \dfrac{x_n(t+1) \; – \; x_n(t)}{x_n(t)}$
となります。
そして、
$\displaystyle w_i(t) \dfrac{x_i(t+1) \; – \; x_i(t)}{x_i(t)}$
が成立しているので、
$\displaystyle \dfrac{y(t+1) \; – \; y(t)}{y(t)} = w_1(t) \dfrac{x_1(t+1) \; – \; x_1(t)}{x_1(t) } + \cdots + w_n(t) \dfrac{x_n(t+1) \; – \; x_n(t)}{x_n(t)}$
となり、上記の寄与度の式を得ることができます。
数学的に言えば、単純計算なので、難しくありませんが、ちょっとした工夫が必要です。