独裁者ゲーム
独裁者ゲームとは、2人の参加者がおり、1人は配分者、もう1人は受益者となり、配分者がその初期保有量の一部を、受益者に与えるというものです。
最後通牒ゲームにおいては、受益者は配分者の配分に対して、受け入れるかどうかを決定できましたが、独裁者ゲームでは、その決定はできない形になっています。
例えば、配分者の初期保有が1000円であったとしましょう。
このとき、
①配分者 … 1000円のうち、0円以上のx円を受益者に分け与えることを提示する。
②配分 … 配分者は1000-x円、受益者はx円を受け取る。
となるようなゲームです。
通常のゲーム理論で考えれば、配分者は受益者に全く初期保有量を渡さず、それぞれの利得は、
(配分者、受益者) = (1000、0)
となると考えられます。
なお、これは、ナッシュ均衡でもあり、パレート最適でもあります。
しかし、行動経済学における実験では、多くの場合、3割程度を、配分者は受益者に渡すという結果となっています。
すなわち、上記の例でいえば、実験では
(配分者、受益者) = (700、300)
となるようなことが多くなっています。
参考
大垣昌夫・田中沙織『行動経済学』
小林佳世子『最後通牒ゲームの謎』