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移出基盤モデル(経済基盤モデル)について

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投稿地域経済学初級
地域経済学における基本モデルの1つである「移出基盤モデル」を初級者向けに説明します。
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 移出基盤モデル(経済基盤モデル)とは、地域外向けの財・サービスの生産が地域の経済成長をもたらすという考えを明示的に取り入れたモデルです。

 本モデルでは、次のような3つの前提を置きます。

  〇地域内には、2つの産業があるとする。
    ①地域外の需要をベースにした「移出産業(export industry)」(基盤産業(basic industry))
    ②地域内の需要をベースにした「域内産業(local industry)」(非基盤産業基盤産業(nonbasic industry))

  〇地域全体の需要が増加すると、域内産業の需要が増加する

 この前提のもと、以下のようなモデルとなっています。

 まず、地域の総就業者数を$ T$、移出産業の就業者数を$ E$ 、域内産業の就業者数を$ L$とすると、

  $ T = E + L \qquad \cdots \qquad (1)$

が成立します。

 次に、上記のように、地域全体の需要が増加すると、地域産業の需要が増加するため、

  $ L = a + b T \qquad \cdots \qquad (2)$

が成立するとし、$ (2)$式を$ (1)$式に代入すると、次式が得られます。

   $ T = \dfrac{1}{1-b}(a + E)$ 

 この式から、移出が増加し、移出産業の就業者数$ E$が増加すると、$ 1/(1-b)$だけ、地域全体の就業者数$ T$が増加することが分かります($ dT/dE = 1/(1-b)$)。

 言い換えると、移出増加で移出産業の就業者数が増加し、それが地域全体の就業者数を上げ、その増加効果が域内産業の需要増加につながるというモデルになっています。

(参考)
 山田浩之・徳岡一幸『地域経済学入門

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