はじめに
時系列モデルにおける自己回帰モデル(ARモデル)を使うとき、定常性が問題になります。
すなわち、
のようなAR(1)モデルがあったとき、
という条件が求められます。
については、発散してしまうため排除するにしても、
に近い推計値が得られることがあり、
であるかどうかが問題になります。そして、
の場合には、そのままAR(1)モデルを使用するのではなく、単位根モデルを使う必要があります。
そこで、 であるかどうかを検証する必要があり、これが「単位根検定」と呼ばれるものです。
DF検定
AR(1)モデルにおいては、DF検定(Dickey-Fuller検定)を行うことになります。
、
として、階差をとり、トレンドの有無などで、次のような検討を行います。
トレンドなし
この場合は、
について、次のような3つの検定方法があります。
① 統計
帰無仮説 :
検定統計量:値(
統計)
② 統計
帰無仮説 :
検定統計量:(
統計)
③ 統計(
)
帰無仮説 :
検定統計量: 統計(
)
トレンドあり
この場合は、
について、次のような3つの検定方法があります。
① 統計
帰無仮説 :
検定統計量:値(
統計)
② 統計
帰無仮説 :
検定統計量:(
統計)
③ 統計(
)
帰無仮説 :
検定統計量: 統計(
)
④ 統計(
)
帰無仮説 :
検定統計量: 統計(
)
ADF検定
AR(p)モデルにおいては、ADF検定(augmented Dickey-Fuller検定)を行うことになります。
DF検定と同様に、、
として、階差をとり、トレンドの有無などで、次のような検討を行います。
トレンドなし
この場合は、
について、次のような3つの検定方法があります。
① 統計
帰無仮説 :
検定統計量:値
統計
② 統計
帰無仮説 :
検定統計量:
統計
③ 統計(
)
帰無仮説 :
検定統計量: 統計(
)
トレンドあり
この場合は、
について、次のような3つの検定方法があります。
① 統計
帰無仮説 :
検定統計量:値
統計
② 統計
帰無仮説 :
検定統計量:
統計
③ 統計(
)
帰無仮説 :
検定統計量: 統計(
)
④ 統計(
)
帰無仮説 :
検定統計量: 統計(
)