固有値
$n$次の正方行列$\mathbf{A}$に対して、
$\mathbf{A} \mathbf{x} = \lambda \mathbf{x}$
となるような$\lambda$と$\mathbf{x}$が存在するとき、$\lambda$を固有値(特性値)、$\mathbf{x}$を固有ベクトル(特性ベクトル)と言います。
ここで、この式を変形すると、
$(\mathbf{A} \; – \; \lambda \mathbf{I}) \mathbf{x} = \mathbf{0}$
となります($\mathbf{I}$は単位ベクトル)。
固有方程式
$\mathbf{x}$がゼロではない何らかの解をもつ条件を考えます。
それには、$\mathbf{x} \neq \mathbf{0}$であるためには、$\mathbf{A} \; – \; \lambda \mathbf{I}$が逆行列をもたないことが必要になります。もし、$\mathbf{A} \; – \; \lambda \mathbf{I}$が逆行列をもてば、$(\mathbf{A} \; – \; \lambda \mathbf{I})^{-1}$を両辺にかければ、$\mathbf{x} = \mathbf{0}$となるからです。
そして、行列が逆行列をもたないときんは、その行列式は$0$となるので、
$|\mathbf{A} \; – \; \lambda \mathbf{I}| = 0$
であり、これを固有方程式(特性方程式)と言います。
2次の場合
例えば、2次の正方行列
$\mathbf{A} = \begin{bmatrix}
a_{11} & a_{12}\\
a_{21} & a_{22}\\
\end{bmatrix}$
の場合には、
$|\mathbf{A} \; – \; \lambda \mathbf{I}| = \begin{vmatrix}
a_{11} \; – \; \lambda & a_{12}\\
a_{21} & a_{22} – \; \lambda\\
\end{vmatrix} = \lambda^2 \; – \; (a_{11} + a_{22}) \lambda + a_{11}a_{22}\; – \; a_{12}a_{21} = 0$
となります。