概要
経済学において、微分を知らなければ、どうしようもない部分があります。
そして、数学においては、微分と積分は対をなすものということができるでしょうが、経済学ではあまり積分を使うことはありません(積分が出てきても、積分自体を操作することはあまりありません)。
とはいえ時折、経済学においても積分を使うことがあるので、積分の基本的な公式をまとめてみました。
公式
不定積分
一般
$ \displaystyle \int f(x)dx = F(x) + C$
$ F'(x) = f(x)$
線形性
$ \displaystyle \int ( af(x) + bg(x)) dx = a \int f(x)dx + b \int g(x)dx$
部分積分
$ \displaystyle \int f(x) g'(x) dx = f(x)g(x) – \int f'(x)g(x) dx$
置換積分
$ \displaystyle \int f(x) dx = f(g(t))g'(t)dt \quad , \quad x=g(t)$
特定化例
$\displaystyle \int x^a \, dx = \dfrac{x^{a+1}}{a+1} + C \quad (a \neq -1$のとき$)$
$\displaystyle \int \dfrac{1}{x} \, dx = \ln |x| + C$
$\displaystyle \int a^x \, dx = \dfrac{1}{\ln a}a^x + C \quad , \quad a\gt 0$
$\displaystyle \int e^x \, dx = e^x + C$
$\displaystyle \int x e^x \, dx = x e^x \; – \; e^x + C$
$\displaystyle \int \ln x \, dx = x \ln x \; – \; x + C$
定積分
$\displaystyle \int^b_a f(x)dx = F(b) – F(a)$
$\displaystyle \int^b_a f(x)dx = – \int^a_b f(x)dx$
$\displaystyle \int^a_a f(x)dx = 0$
$\displaystyle \int^b_a \alpha f(x)dx = \alpha \int^b_a f(x)dx$
$\displaystyle \int^b_a f(x)dx = \int^c_a f(x)dx + \int^b_c f(x)dx$
$\displaystyle \int^b_a f(x)g'(x) dx = f(x) \int^b_a g(x)dx – \int^b_a f'(x)g(x)dx$
$\displaystyle \dfrac{d}{dx}\int^x_a f(x)dx = f(x)$
$\displaystyle \dfrac{d}{dx}\int^b_x f(x)dx = – f(x)$
まとめ
経済数学の教科書によっては、積分を取り扱っていない場合もあります。
数学的には積分は当たり前の話ですが、経済学はそれほど重要ではないともいえるでしょう。
とはいえ、連続した関数において、面積を求める際には、積分を使ったりもします。
し確率論を少し学べば、測度論やルベーク積分などの話も出てきたりもしますが、そこまではいかないにしても、基本的な公式ぐらいは知っておいたり、辞書的にちょっと出てきたら調べるぐらいの感じはあってもいいように思います。
参考
ピーター・バーク、クヌート・シュドセーテル『エコノミスト数学マニュアル』