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非ポンジー・ゲーム条件の意味を直観的に解説します

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投稿マクロ経済学初級
マクロ経済学における非ポンジー・ゲーム条件の意味について、直観的に説明します。
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非ポンジー・ゲーム条件

 マクロ経済学のモデルにおいて、「非ポンジー・ゲーム条件」(No-Ponzi game condition)というものが課せられます。

 ポンジーとは、アメリカの詐欺師チャールズ・ポンジー(Charles Ponzi)に由来する言葉です。
 儲けを約束するとして、お金を集め、その集めたお金で一部の人に配当金を支払い、どんどんと借金を重ねた人物です。
 (ちなみに、こんな人↓のようです)

このポンジーとは異なり、

 「借金を残すことはできない」

というものが非ポンジー・ゲーム条件となります(ポンジーのようにできないという意味で「非」(No)がついています)。

 数式では、$t$期における資産を$a_t$とし、$r$を割引率とすると、次のような形になります。

  $\displaystyle \lim_{t \rightarrow \infty} \left( \dfrac{1}{1+r} \right)^t a_t \geq 0$

 途中に借金があっても、遠い先(無限大)には、資産は$a_t$はプラスになるということです。

 そして、この借金を残すことはできないというのは、変な条件ではないと思います。

留意点

非ポンジー・ゲーム条件がない場合

 ところで、非ポンジー・ゲーム条件がなければ、どうなるのでしょうか。

  「借金をし続けるのはいけない!」

という倫理的な話はあるでしょうが、経済モデルにおいて、大きな問題が生じます。

 それは、経済モデルにおいて、経済状態が「均衡」に向かわず、ある種の「バブル」(発散)が生じてしまうということです。

 もちろん、このような状態(不均衡動学)を分析することは可能でしょうが、一般的な経済学のモデルにおいては、ありえないことであり、排除されるべきものとされます。そのため、「非ポンジー・ゲーム条件」が課せられます。

非ポンジー・ゲーム条件が成立しているか

 この非ポンジー・ゲーム条件は、この言葉の通り、あくまでも経済モデル上の「条件」です。
 ですので、この条件が現実に当てはまっているかは、別問題です。

 現在の日本の状態を考えると、国の借金はどんどんと増えています。
 また、「プライマリーバランス」が重要という話があります。プライマリーバランスとは、ざっくり言えば、税収などの収入と経費が一致・均衡していれば、問題ないという議論です。
 (財務省「参考資料・プライマリーバランスとは何か」あたりを見てください)

 言い換えれば、借金は減らすことはできないが、これ以上、増えないようにしようというのが、プライマリーバランスといえます。

 非ポンジー・ゲーム条件自体は、(あくまでも「無限大」の時間で)「借金を残さない」という話です。ところが、プライマリーバランスという考えは、「借金をし続ける」という話なので、非ポンジー・ゲーム条件を満たしていない・満たすように行動していないということになります。

 すなわち、現実は非ポンジー・ゲーム条件が成立していない状況と言えるのかもしれません。

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