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世の中にあるミクロ経済学のシグナリングの例

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投稿ミクロ経済学入門
ミクロ経済学におけるシグナリングについて、世の中で実際にどのようなものがあるか、例を挙げています。
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シグナリング

 ミクロ経済学において、シグナリングという概念があります。

 取引などをするにあたって、相手や取引する商品について情報が情報がないときがあります。
 例えば、中古品の売買において、売り手はその中古品の品質を知っていますが、買い手はその中古品の品質は分かりません。このようなときには、売り手は品質について嘘をついたり、買い手も品質を予想したりする必要があります。

 いわゆる「情報の非対称性」というものですが、これは必ずしも、情報をもっている売り手に有利に働くとは限りません。買い手には情報がないため、品質を過小評価する可能性もあります。

 このようなときに、売り手にとっては、情報を積極的に出す必要があり、これを「シグナリング」といいます。

 一般的な言い方をすれば、「シグナリング」とは、情報を有している者が情報をもっていない者に対して、情報の格差を埋めるような行動のことを言います。

 シグナリングは、現実の世界には多くあり、その例をいくつか挙げたいと思います。

学歴・資格

 シグナリングについて説明するときによく使われるのが、学歴や資格です。
 求人をしている企業は、能力がある求職者を採用したいと考えますが、どれだけの能力があるかは、働いてみないと分かりません。他方、求職者にとっては、そのような企業に対して、自身が能力があることを示す必要があります。
 このようなときに、シグナリングとして、使われるのが学齢や資格です。学歴や資格を表明することで、実際は同課は別として、自身は能力があるということを示すことができます。

ブランド

 消費者にとって、商品がよいのか、よくないのか分からないときがあります。
 このとき、企業としては、自社の商品がよいものとして、表明する手段として、ブランドが考えられます。消費者にとっては、ブランド名やマークなどを見るだけで、良い商品だと判断できたり、逆に企業にとっては、良い商品であることを示すため、ブランド戦略を立案し、積極的にブランド名やマークなどをアピールしたりします。

産地

 ブランドと似たものとして、食品の産地があります。
 飲食店を考えたとき、その利用者にとっては、通常、どのような食材を使っているかは分かりません。そこで、飲食店としては、よい食材を使っているということを示すために、食材の産地を表示したりしています。
 半面、利用者の多くは分からないということを利用して、産地偽装や食品偽装などの問題があります。

高価格

 商品について、購入者がその品質が分からないときに、店舗としては、敢えて高価格を提示することで、よい商品であることをアピールすることがあります。
 高価格ではない場合でも、価格づけでシグナリングが使われることがあります。例えば、あまりにも安い価格で商品を販売すると、消費者は品質が悪い商品だと認識される可能性があるため、極端に低い価格で販売しないということがあります。また、非常に安い価格で販売するとしても、訳あり商品などといった形で、その利用をつけたりすることがあります。

配当金

 企業は、株主に対して、利益の一部から、配当金を出します。
 株主としては、経営状況がいい企業に投資をしたいわけですが、株主はその企業について、必ずしもしっかりモニタリングしたりすることがなかったり、企業情報について分からない点もあったりもします。
 このとき、企業としては、経営状況のよさを示すため、高配当を行ったり、配当金を出したりすることがあります。そして、この配当金により、儲かっているというシグナリングを出したりします。
 逆に、儲かっていないのに、経営状況の良さを示すため、配当が行われることがあります。嘘のシグナリングですが、「タコ配当」と言われ、違法とされています。

CSR

 企業は、自社が倫理的な会社で、社会的な責任を果たしていることを示すため、CSR活動を積極的に行うことが挙げられます。
 近年では、SDGsへの取り組みがこれに当たるでしょう。

まとめ

 いくつか例を挙げてきましたが、現実の世界で、シグナリングは非常によく行われていることです。

 逆に、このシグナリングを利用して、自分に有利なように認識してもらうため、本当とは違う偽りのシグナルを出すこともあったりします。

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