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オークションにおける重要な定理「収入同値定理」について

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メカニズム・デザインにおいて、オークションに関する重要な定理「収入同値定理」について、概要を説明しています。
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はじめに

 オークションにおいて、自分が売り手であるとしましょう。
 当然ながら、できるだけ高く売りたいと思うはずです。

 そして、そのオークションのルールを自分で変更できるならば、売り手である自分に有利なルールを考えるはずです。

 しかし、そのようなことは不可能であることを示すものとして、「収入同値定理」(収益同値定理)というものがあります。

収入同値定理

 オークションにおいて、次のような条件があるものとします。

  ①一番評価額の高い入札者が財を受け取る

  ②各入札者にとっての真の価値は私的価値である(他の入札者の価値とは独立している)

  ③すべての入札者は、リスク中立的である

  ④他の入札者の評価額については確率分布は分かっているが、真の評価額は分からない

  ④真の評価額が0の入札者の利得は0となる

 このとき、収入同値定理は、次のようなものになります。

  「いかなるオークション制度も売り手には同じ期待収益をもたらす」

 言い方を変えれば、いかにオークション制度を工夫しても、超過的な期待収益は得られないということです。

最後に

 勿論、オークションにおいて、上記のような条件がすべて成立していることはあまりないかもしれません。
 特に、人間の行動を考えれば、リスク回避的な場合が多く、リスク中立的というのは強い条件と言えるでしょう。

 しかし、一定の条件下で、このようなことが言えるというのは、理論的に非常に重要と言えるでしょう。そしてこの点で、メカニズム・デザインやマーケット・デザインにおいて、非常に大切な定理となっています。

参考

  奥野正寛(編著)『ミクロ経済学

  川越敏司『マーケット・デザイン

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