概要
経済学を勉強していると、経済学は役に立つのかと思うことが多いと思います。
「限界効用」「予算制約式」「流動性の罠」 などなど
よく分からない言葉が出てきたり、非現実的な話が多いと思います。また、「失われた○十年」と言われたこれまでの日本経済の状況、コロナ禍の現在の経済状況を考えれば、
「経済学、使えねぇ」
と思っても仕方ないように思います。
この点について、個人的な意見を言いたいと思います。
学問として使えるかどうか
ある意味、「経済学は使えない」と思うことは正しいと思います。
ただ、より広く「学問」というものを考えたとき、使える学問はどのようなものでしょうか。そして、どれだけの学問が「使える学問」なのでしょうか。
理系の学問を考えたとき、社会的に役立つものが多いように思います。理系の技術や工学・医療なの知識は、人々を豊かにしてくれました。しかし、それを学ぶといったとき、どれだけ「使える」と感じるものがあるでしょうか。
私自身、高校生のとき、「地学」を勉強したとき、「使える!」と思ったことはありません。
そして、よくある話として、数学がやり玉に挙げられ、
「数学は苦手!」
「何のために数学を勉強するの?」
「微分なんて勉強しても、使うことなんてない!」
と思うことがあると思います。
また、理系ならば、まだ使えるものがあるかもしれませんが、文系となると、更に「使える学問」は少なくなるような気がします。
例えば、「文学」「哲学」などを学んだとして、知識としては大事かも知れませんが、「使える」と思ったことはどれだけあるでしょうか。
「法律」などは、使えることがあるかもしれませんが、どのような法律を学ぶかで、それは大きく変わります。例えば、憲法を一生懸命学んだとしても、日常生活で使う機会はほぼないと思います。また、「学説」という実務的ではないことも勉強する必要があったりもします。
ですので、学問自体の性質としても、学問を利用する立場の問題としても、「使える学問」もあれば、「使えない学問」もあるということが、答えだと思います。
そして、これは当然ながら、経済学にも当てはまります。
経済学の使い方
そしたら、経済学を学ぶにあたり、どのように考えれば「使える学問」になるかが問題になると思います。
勿論、それぞれで生き方が異なるので、誰にも絶対的に当てはまるといえるものではないのですが、私自身は、次のように考えています。
①経済学自体を使う
経済学と言っても、幅広い分野があります。純粋な理論から応用経済学まで、いろいろです。
特に、ミクロ経済学は使えないと思っても、心理学的な要素が強い行動経済学などは、日常生活でも役に立つ・使えると思うときがあると思います。
ですので、経済学の分野を見て、使えるものと使えないものを分け、経済学の中で使えるものを選ぶというものです。
②経済学の学際性を使う
上記でも述べましたが、経済学と言っても、非常に幅広い分野を含んでいます。
学問分野でいえば、経済学自体はもとより、統計学や歴史学、心理学・法律など、経済学を学ぶと、経済学以外の様々な学問と隣接していることが分かります。
すべての学問を比較したわけではありませんが、社会科学の中にあっては、他の学問の領域を最も取り入れているのが、経済学といえるでしょう。
このことから、社会科学において、他の分野も含めていろいろな学問を学びたいと思う人にとっては、経済学は最もいい学問ではないかと思います。言い換えれば、経済学の学際性を使えば、幅広い学問を学ぶことができるといえるでしょう。
③経済学の考え方を使う
「数学をなぜ学ぶのか」という問いに対して、「論理性を身につける」というものがあると思います。
この是非はおいておいて、経済学においても同様なことが言えると思っています。
それは、経済学を学ぶと、モデル化・構造化といった思考が身につくのではと思っています。経済学では、ある経済事象を、数式などを使って、モデル化します。このようなモデル化の思考が身につくと、経済事象以外にも、モデル化したり、構造的に考えたりするようになります。
まとめ
私としては、以上のように考えていますが、経済学を学び、知った言葉として、経済学者ジョーン・ロビンソンの言葉があります。それは、
「Cool Head,but Warm Heart」
というものです。「冷静・沈着に考え、同時に温かい心」でいった意味ですが、これはどんな場合にも当てはまると思います。
使える・使えないとはちょっと違った形かもしれませんが、自身が生きているうえで、大事にしていることです。