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ヴィッカリー・オークション(2位価格オークション)について

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メカニズム・デザインにおいて、オークションの1つであるヴィッカリー・オークション(2位価格オークション)について、その概要を説明します。
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 オークションといった場合、一般的には、ある物を買いたいと思っている人たちが、それぞれ高い価格を表明していき、その中で最も高い価格を付けた人が、その物を購入できるという仕組みです。

 ただし、この方法では、自分が考えている物の価値とは異なる価格を表明する事態が生じたりします。
 比較的低価で競り勝つことを予想できれば、自身の想定している価値よりも、安い価格を表明することになります。逆に、このオークションに勝利し、何とかその物を手に入れたいと思えば、自分の想定している価値以上の価格をつけることになるでしょう。この場合には、競り勝ち、物を購入することができたとしても、想定した価値よりも遥かに高い価格を支払うという「勝者の呪い」という事態も招きかねません。

 そこで、真に自身が考えている価値を価格として表明する仕組みとして考えられたのが、ヴィッカリー・オークション(Vickrey auciton)です。

 仕組みとしては、簡単で、

 「オークションにおいて、最高値を付けた人が二番目に高い価格で、その物を購入する」

というものです。このことから、「2位価格オークション」と呼ばれたりもします。

 自身がオークションに参加し、ある物を購入する場合を考えます。このときに、その物を評価し、最も高く支払える評価額を考えるでしょう。

 通常のオークションでは、その額を提示するのは、最適ではありません。なぜならば、オークションの価格として、2番目の価格に少し上回る価格を提示すれば、自身が考えている最も高い価格よりも安く、その物を購入できるからです。ですので絶えず、最も高く支払える評価額よりも小さな価格を提示するというインセンティブが生じます。

 一方、ヴィッカリー・オークションでは、2番目に高い価格で購入できるので、2番目の価格に少し上回る価格を提示する必要はありません。むしろ、オークションで競り負ければ、その物は購入できないため、自身が最も高く支払える評価額を提示するでしょう。逆に、他者が、自身が最も高く支払える評価額よりも高い価格をつけたときに、そこで競り勝っても、自身が考えている以上の価格となり損をするだけなので、このような選択はしないでしょう。

 これらの結果、ヴィッカリー・オークションでは、自身が考えている最高評価額を提示することが最適な選択となります。

参考

 中山幹夫『はじめてのゲーム理論

 川越敏司『行動ゲーム理論入門 第2版

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