ポアソン到着
一定の時点において、ある事象がどれだけ起こるのかを知りたいときがあります。
例えば、あるお店をやっているとき、一定の時間に、お客さんが何人来るのかといった場合です。違う例では、機械が一定期間に何回故障するのかといった場合もあるでしょう。
企業でいえば、一定期間に倒産(デフォルト)する確率を知りたい場合もあるでしょう。
このようなものについて、確率論的に知りたいと思ったときに使われるのが、「ポアソン到着」というものです。
数式でいえば、時間$t$において、あるイベントが$k$回発生する確率は、ポアソン分布に従うとして、
$P(t) = \dfrac{(\lambda t)^k}{k!} e^{-\lambda t} \quad (k = 0 \, , \, 1 \, 2 \, \cdots)$
と表されます(ポアソン分布に従うとするので、ポアソン到着と言われます)。
ここで、$\lambda$は単位時間あたりにイベントが発生する平均回数です。
例えば、$\lambda=1$として、$1$時間に1回到着($k=1$)する確率は、次のように、$36.8%$になります。
$P(1) = \dfrac{(1 \times 1)^1}{1!} e^{-1 \times 1} = 0.368$
また、一定時間に到着する回数が異なれば、確率も異なってきます。
上記と同じように、$\lambda=1$として、$t$時間に到着する回数を変えたものが、次のグラフになります。

$k=1$のときには、時間が経過するごとに、確率は減っていきます。これは、時間が$2$や$3$と大きくなるにつれ、$1$回も到着していない確率が減るためです。
$\lambda=1$なので、$1$時間に$1$回は平均的に到着するので、$k=5$の場合には、$5$時間のときに、最も確率が高くなります。
到着間隔時間
次に、あるイベントが発生するまでの時間を考えましょう。
ポアソン過程において、あるイベントが発生して、次のイベントが発生するまで時間を「到着間隔時間」と言います。
ここで、$T$時間までに全くイベントが発生しない場合を考えましょう。イベントが発生しないので、$k=0$から、
$P(T > t) = e^{-\lambda t} \quad (k = 0)$
となります。
これをグラフにすると、時間が経つごとに、その確率は減少していきます。

ここで、$f(t) = P(T > t)$と定義すると、回数は別として、到着する確率を求めると、確率の全集合は$1$なので、その補集合$F(t)$は、
$F(t) = P(T \ \le t) = 1 \, – \, f(t) = 1 \, – \, e^{-\lambda t}$
となります。
この$F(t)$を時間$t$で微分すると、
$\dfrac{d \, F(t)}{d \, t} = \lambda e^{-\lambda t}$
となり、これが「到着間隔時間」となります。
そして、この到着間隔時間の式は、指数分布であることから、到着間隔の長さは、指数分布に従っていることが分かります。
まとめ
以上をまとめると、次のようになります。
到着間隔:$\dfrac{(\lambda t)^k}{k!} e^{-\lambda t}$ ~ ポアソン分布
到着間隔時間:$\lambda e^{-\lambda t}$ ~ 指数分布